富山県でサッシ屋をしている藤山奈見です。
長い記事になりますが、最後まで目を通していただけると幸いです(*'ω'*)
立て続けに、お二人の方から騒音で悩んでいるという相談を受けました。
まずお一人は・・・
国道沿いのお宅で、一日通して交通量が多く、うるさいので困っていると言うことでした。
もう一人のお客様は・・・
「ローカル線なので電車の数も少ないから、気にならないだろう」と思い、
線路沿いに家を建てたけれど、電車が来る前から鳴りだす踏み切りの音や長い車両の貨物列車の音が気になると言われました。
ご相談いただいたお客様と同じように、騒音で悩んでいらっしゃる方は意外と多いのではないでしょうか?
こちらのページでは、騒音による不快な気持ちを少しでも減らす、騒音対策について説明していきます。
下の図で、音量レベルと騒音感覚を見てみましょう。
一般的に、45dB(デシベル)以下の音量が快適に暮らせる目安、とされています。
出典:YKKAP
国道沿いの家をスマートフォンアプリ「騒音測定器」を使用して計測してみると、
最低43dB~最高83dBでした。
次に、線路沿いのお宅を計測した結果は、
最低32dB、特急が近くの駅に停まらずスピードを維持したまま走り抜ける際は90dBでした。
どちらも一番大きな音量レベルの時は、「きわめてうるさい」と感じることが、図からわかります。
建物は・・・
柱、外壁、窓などで構成されていますが、
音は一体、家のどの部分からもっとも侵入してくるのでしょうか。
外壁部の作りを見てみましょう。
一般的に外壁部の壁のイメージは、下の図のようになっていて、
外壁は建物にもよりますが、外から室内まで約16㎝の厚みがあります。
出典:家を建てる
つぎに窓ガラス部分の家のつくりを下の図で見てみましょう。
出典:トーソー株式会社
1枚ガラスのアルミサッシの場合、ガラスの厚みは一般的に3~5㎜程度です。
3㎜ガラスを仕様の場合、
外壁の厚みは16センチあるわけですから、ガラスに比べ約50倍の厚みがあることになります!
また5㎜のガラスが使用してあれば、外壁は約30倍の厚みになるのです。
外壁に比べ、窓ガラスのほうがとても薄いことがわかりますよね。
このことから、
外壁に比べ厚みの薄いガラス窓からは、大きな音が入ってしまうのです。
「ならばガラスの窓を少なくしよう!」とは、簡単にいかないのが悲しいところ。
窓をつぶして、すべて壁にする訳にはいかないのです。
住宅基準法により、住宅には採光や採風、防火の観点から、窓は必要な物になります。
音の伝わり方には、
「空気の振動で伝わる音」と「建物を伝わる音」の2種類あります。
「建物を伝わる音」は、
近所で解体工事をしている時や、大型トラックが走行した時など、地面が振動して建物に伝わる地響きのような音のことです。
この音は、住宅ごと振動するため防音対策は非常に難しくなります。
それ以外のほとんどの音は、「空気の振動で伝わる音」です。
空気が振動して伝わる音は、
建物の構造上、厚みの1番薄い窓から入ってきます。
音はガラスだけでなく、アルミサッシのレールの隙間や、サッシの枠の隙間からも、家の中へ侵入して来るのです。
二重窓、もしくは内窓と言う言葉を聞いたことはありませんか?
「二重窓って言われても、どんな物なのか詳しくわからない」と言われることがあります。
また、ペアガラスと間違われている方が非常に多くいらっしゃいますので、
ここから「二重窓」について詳しく説明していきます。
出典:YKKAP
「二重窓」と呼ばれる窓は、今ある窓(既存の窓)の内側にもう1つ窓を取り付けて、二重にしたものです。
つまり、既存の窓+二重窓となり、窓サッシが2つある状態になります。
この2つの窓が並んでいる内側の窓のことを二重窓と呼ぶのです。
よく、ペアガラスと間違われている方がいらっしゃるのですが・・・
ペアガラスとは、1枚の窓を2枚のガラスで構成したものであり、
窓が2つ付く内窓とは異なります。
二重窓は種類が豊富
内窓にはいろいろなメーカーから商品が発売されています!
上の画像にある「プラマードU」はYKKAPの商品です。
ほかにもLIXILの「インプラス」や三協立山の「プラメイク」などの製品があります。
ここからは、「プラマードU」についてより詳しく解説していきます!
二重窓に入れるガラスにもいろいろ種類がありますので、順番に見ていきましょう。
防音対策におすすめする3つのガラスを紹介します。
①複層ガラス
出典:YKKAP
ガラスとガラスの間に空気を挟むことによって、1枚のガラスよりも優れた断熱性能をもっています。
防音対策より断熱対策、結露軽減対策に適したガラスですが、
既存のサッシの内側に施工することで、空気層ができ十分に防音できます!
ご紹介するガラスの中では一番お安いものです。
②異厚複層ガラス
出典:YKKAP
上の図からわかるように、異なる厚さのガラスを組み合わせることで、
通常の複層ガラスで起こりうる共鳴を防ぎ、ほとんどの音源に対して遮音効果を発揮することができます。
③防犯合わせ複層ガラス
出典:YKKAP
ガラスの間に強度と柔軟性に優れた樹脂中間膜を挟み込まれた、破壊されにくいガラスで、
防犯性の向上を考えて作られた複層ガラスになります。
騒音対策に適した3つのガラスを紹介しましたが、
それぞれの遮音効果を下の図で比較してみましょう。
注意:上記は、周波数1,600Hzの場合 出典:旭硝子 板ガラス建材総合カタログ[技術資料編]より板ガラスの透過損失データより
出典:YKKAP
左から「一般的な複層ガラス」「異厚複層ガラス」「防犯合わせ複層ガラス」の順です。
右の「防犯合わせ複層ガラス」が、一番遮音に特化した複層ガラスとなります。
しかし、一般的な複層ガラスに比べ、防犯合わせ複層ガラスの方がお値段は高くなります。
数値でも遮音効果が高いため、「防犯合わせ複層ガラス」の方が良さそうに思われるかもしれませんが、私はお値段の一番お安い「一般的な複層ガラス」を提案することが多いです。
出典:YKKAP
上の図のように一般的な複層ガラスの二重窓を設置するだけで、
80㏈の外の音は40㏈まで減らすことができます。
人の耳は、一般的に10㏈音が小さくなると、もとの音の半分の大きさに聞こえると言われています。
そのため、私は防音効果を十分感じることができ、お値段も一番お安い「一般的な複層ガラス」を使用した二重窓の設置をお勧めしているのです。
「ふかし枠」とは、
既存の窓枠にアルミ製のベース材を取り付けたあと、樹脂製のカバー材をかぶせて手前にふかしてくることです。
ふかした部分は、アルミのため十分強度がありますので、二重窓を施工しても安心です。
このように「ふかし枠」を設置すると、手前に窓が張り出すことになります。
既存のカーテンレールの位置では、カーテンが窓に押されてしまうので、レールの場所を移動しなければいけません!
カーテンレールが取り付けられるよう、内部に専用補強材の入った「ふかし枠」を利用します。
窓枠が手前まで張り出させることにより、既存の窓と二重窓の間を広げることができます。
通常の既存窓枠内に二重窓を施工するより、空気層が広がるため、
より防音効果をアップさせることができるのです!
ただ、室内が少し狭くなるという難点があります。
【二重窓のメリット】
既存のアルミ製の窓は、レールの隙間や枠からも音が侵入する窓サッシでしたが、
二重窓はレールや枠も樹脂で出来ており、気密性が上がり音の侵入を防ぎます。
そして、既存の窓と二重窓の間にできた中間空気層が音を反復させ、室内まで音を通しにくくします。
複層ガラスを選べば、既存の窓のガラスも含め、室内までに3枚のガラスがあることになります。
部屋に侵入してくる音をさえぎるため、生活しやすい暮らしを手に入れる事が出来るのです。
【二重窓のデメリット】
デメリットは、窓が2つになる事で窓掃除の手間が増えることと、
空気の入れ替えなど窓を開ける際は、2つの窓を開け閉めしなければいけない事です。
また、ふかし枠を利用して二重窓を施工すると、部屋の窓回りが少し狭くかんじるかもしれません。
今ある窓や床などの色を考慮し、お客様と一緒にお色やガラスの種類を決めていきます。
すべて決まりましたら、ご希望の二重窓をメーカーに完全フルオーダーで製作してもらうため、
発注から窓が製作されてくるまでに一週間程納期が必要です。
国道沿いにお住いのお客様は、夜中も車が走り、うるさいため、
防音効果をより高めるふかし枠を利用した工事をさせていただきました。
ガラスはお値段をおさえるため一般的な複層ガラスを使用。
窓の大きさは約W1676✖H1851でふかし枠工事を含み、お値段は約10.2万円です(お値段は店舗により異なります)
部屋が狭く感じるのではないかと心配されていましたが、
「思ったほどではなく、全然狭く感じない」と奥様も安心されました。
次に線路沿いのお客様は、昼間、外出することも多く、夜間はほとんど電車が走らないということで、一般的な複層ガラスの二重窓を施工されました。
窓の大きさはW2554✖H1140で工事費を含み約6.7万円です(店舗によりお値段は異なります)
「こんなにも踏切の音も電車の音も気にならなくなるなんて、驚いた!」と大変喜ばれました。
アルミサッシの窓からは、たくさんの不快な音が侵入してきます。
毎日、いやな音を耳にすることは、精神面で大きなダメージを受けることになりかねません。
大切な家で、ゆっくりくつろぐ事ができなくなってしまいます。
そのような状態を、長く続けて身体にいいのでしょうか?
今ある窓に二重窓を取り付けるだけで、騒音対策ができます!
二重窓の設置工事は、1か所1時間程度で終わるとてもお手軽なリフォームです。
騒音でお困りの部屋に、防音効果の高い内窓を取り付けて快適な暮らしを手に入れませんか?
わたしは、冒頭にも書きましたとおり富山県でサッシ屋を営んでいます。
同業者は県内にもたくさんあり、同じYKKapの二重窓でも、店舗によって値段はちがいます。
たとえば、
わが社は1窓でも工事費無料でうけたまわっていますが、他社は5窓以上で工事費無料など、
同じ商品でも値段はお店によって違うんです。
また、値引きも店舗によってさまざまです!
そのため、リフォームをお考えの方には、
ぜひ数社から見積もりをとって見比べていただきたいと切に思います。
「うちも二重窓を取り付けよう!」と思われた際、
自分の住んでいる町のなかから、どのサッシ屋さんに頼めばいいのか・・・
それともリフォーム屋さんに聞いてみようか・・・
と、見積もりをとるだけでも、悩んだり時間がかかったりするものです。
その点!
下記からお申し込みをされますと、選ばれた最寄りのリフォーム会社を厳選してもらえます。
そのため、誰でも!簡単に!無料で!数社から見積もりを取ることができるんです。
数社から届いたお見積もりのなかから、
一番安いお店を選ぶもよし、一番対応が良かったお店を選ぶもよし、断るも良し!
ぜひ、下記のサイトを利用し、より良い施工業者をお探しくださいね!